
今回のブログでわかること【要約】
「何年も腰痛が続いている」
「マッサージを受けても、しばらくすると腰がつらくなる」
「ときどき、ぎっくり腰まで起こしてしまう」
長く腰痛が続くと、「年齢のせいだから仕方がないのかな」と不安になりますよね。
慢性腰痛には一つだけではなく、運動量や睡眠、ストレス、仕事中の姿勢など、さまざまな要因が関係します。
今回は、慢性的な腰痛と、ときどき起こるぎっくり腰に悩んでいた60代女性Jさんの症例をご紹介します。
身体を確認すると、仕事中に毎日くり返していた「身体を右へひねったままのパソコン作業」が気になりました。
施術と仕事環境の見直しを続けた結果、約6週間・6回で腰痛は大幅に改善しました。
※施術による変化や必要な期間には個人差があります。
マッサージを受けても慢性腰痛が続いていた60代女性
Jさんは、薬剤師として働いている60代女性です。
お仕事は立っている時間と座っている時間が半分ほどで、日ごろからヨガにも取り組んでいました。

それでも慢性的な腰痛が続き、ときどき、ぎっくり腰も起こしていました。
腰がつらいときには、湿布を使ったりマッサージを受けたりしていたそうです。
しかし、しばらくするとまた腰がつらくなります。
運動までしているのに腰痛を繰り返したら、「何をすればいいのだろう」と悩んでしまいますよね。
そこで当院では、痛む腰だけではなく、Jさんが普段どのように働き、身体を使っているのかまで詳しくお聞きしました。
慢性腰痛の原因を探ると仕事中の姿勢が見えてきました
Jさんのお話で気になったのが、薬局でのパソコン作業でした。
正面にはお薬の受付窓口があります。
ところが、パソコンは受付正面から見ると右側に置かれていました。
そのためJさんは、受付窓口を気にしながら、身体を右へひねってパソコン入力をすることが多かったそうです。

一度や二度なら、大きな問題にはならないかもしれません。
しかし、同じ動きを毎日、何時間もくり返したらどうでしょう。
たとえば、買い物袋を毎日右手だけで持ち続ければ、右と左では身体への負担が変わりますよね。
仕事中の姿勢も同じです。
Jさんの身体を確認すると、腰だけではなく、背骨や骨盤まわり、股関節などにも動きの左右差がみられました。
そこで当院では、慢性腰痛を「腰だけの問題」と考えず、毎日の身体の使い方まで含めて見直すことにしました。
「身体のゆがみ」より大切なのは負担のかかり方
「身体がゆがんでいるから腰が痛いのでしょうか?」
患者さんからよく聞かれる質問です。
人の身体には、もともと多少の左右差があります。
そのため、見た目の左右差だけで腰痛の原因を決めることはできません。
当院が大切にしているのは、
「どの動きで痛むのか」
「腰や股関節は動いているか」
「仕事中に同じ方向ばかり向いていないか」
など、実際の身体の使い方を確認することです。
Jさんの場合も、単純に「身体がゆがんでいるから」と考えるのではなく、毎日くり返す右向きの作業姿勢が、腰への負担を増やしている可能性を考えました。
Jさんが取り組んだ慢性腰痛対策
1.パソコンへ身体ごと正面を向ける

一番大きく見直したのが仕事中の姿勢です。
Jさんには、腰だけを右へひねって入力するのではなく、パソコンを使うときはイスや身体ごと向きを変えて、画面の正面へ身体を向けてもらいました。
ポイントは「ずっと良い姿勢を保つ」ことではありません。
同じ姿勢を長時間続けないことが大切です。
できれば仕事の合間に一度立ち上がり、軽く身体を動かしてから座り直します。
2.足を組み続けず両足を床につける
座っていると、知らないうちに足を組んだり、片側へ体重をかけたりすることがあります。
気づいたら両足を床につけ、座り直してもらいました。
ただし、姿勢を気にしすぎて身体をガチガチに固める必要はありません。
「崩れたら戻す」くらいから始めれば十分です。
3.パソコン画面の位置も見直す
画面が低かったり身体の横にあったりすると、首や背中を曲げたり、身体をひねったりする時間が増えます。
できる範囲で画面を見やすい位置へ動かし、身体の正面で作業できる環境を作ってもらいました。
仕事場では自由に机を動かせないこともあります。
だからこそ、イスの向きを変えるなど、無理なくできる方法から始めることが大切です。
約6週間・6回で慢性腰痛が大幅に改善

Jさんには身体の状態を確認しながら施術を行い、同時に仕事中の姿勢も見直していただきました。
すると、施術を重ねるにつれて腰のつらさが少しずつ減り、約6週間・6回で慢性腰痛は大幅に改善しました。
Jさんからは、「1〜2週間に1回程度の施術を受けていますが、体のゆがみがとれ、痛みも軽減しています」とのお声もいただいています。
現在はご本人の希望もあり、月1回ほど身体の状態を確認しながらメンテナンスを続けています。
長年腰痛がある場合、施術だけですべてを変えようとするのではなく、毎日何時間も続けている身体の使い方を一緒に見直すことも大切だと、あらためて感じた症例でした。
※一症例の経過であり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。
まとめ|慢性腰痛では毎日の身体の使い方も確認しましょう

慢性腰痛がなかなか良くならないと、
「もう年齢だから仕方がない」
と思ってしまう方もいらっしゃいます。
しかし、Jさんのように、仕事中の身体の使い方に見直せる部分が残っていることもあります。
「湿布やマッサージを続けても腰痛を繰り返す」
「仕事をすると腰がつらくなる」
「ぎっくり腰を何度も経験している」
鹿児島市で同じようなお悩みがありましたら、坂元台整骨院へご相談ください。
当院では痛む腰だけを見るのではなく、背骨や骨盤、股関節の動き、仕事や日常生活での身体の使い方までていねいに確認します。
長く続く腰痛だからこそ、「どこが痛いか」だけではなく、「なぜ毎日そこへ負担がかかっているのか」を一緒に探していきましょう。
参考文献
1.日本整形外科学会・日本腰痛学会 編
『腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版』
→ 腰痛の診断や治療、運動療法などについてまとめられた国内の診療ガイドラインです。
2.Maher C, Underwood M, Buchbinder R.
Non-specific low back pain. Lancet. 2017.
→ 腰痛には身体面だけでなく、心理・社会的な要因なども関係することが解説されています。
3.Hartvigsen J, et al.
What low back pain is and why we need to pay attention. Lancet. 2018.
→ 腰痛をさまざまな要因が関係する症状として考える重要性がまとめられています。
4.World Health Organization.
WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings. 2023.
→ 慢性腰痛では、運動や教育などを含めた包括的な対応が推奨されています。
5.National Institute for Health and Care Excellence(NICE).
Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management.
→ 腰痛や坐骨神経痛の評価、運動、セルフマネジメントなどについてまとめられています。
(監修 柔道整復師 児玉寛武)


