今回のブログでわかること(要約)

介護職は、中腰や前かがみの姿勢、利用者様の移乗介助などによって腰へ大きな負担がかかる仕事です。今回ご紹介するのは、長年にわたり腰痛と足のしびれに悩んでいた40代女性介護職の改善事例です。

当院では、腰だけでなく股関節や骨盤を含めた身体全体の動きを確認し、施術とあわせて日常生活や仕事中の身体の使い方も見直していただきました。

約6週間・6回の施術で腰痛と足のしびれが軽減し、仕事や日常生活を以前より楽に送れるようになりました。

介護職で腰痛に悩んでいる方は、ぜひ参考になさってください。

このようなお悩みはありませんか?

「移乗介助の後に腰が痛くなる」

「中腰の姿勢を続けるのがつらい」

「腰痛と一緒にお尻や足がしびれる」

「朝から腰が重く仕事へ行くのがつらい」

「湿布やマッサージでは改善しない」

「このまま介護の仕事を続けられるか不安」

このようなお悩みがある方は、今回の症例がお役に立つかもしれません。

長年の腰痛と足のしびれに悩んでいた40代女性

こんにちは。

鹿児島市玉里団地の坂元台整骨院、院長の児玉寛武です。

今回ご紹介するTさんは、介護職として働く40代女性です。

仕事では利用者様の移乗介助やおむつ交換、体位変換などを毎日繰り返し、仕事が終われば家事や育児にも追われる生活を送っていました。

そのため身体を休める時間が少なく、腰痛を我慢しながら働き続けた結果、次第に足のしびれまで感じるようになったそうです。

初回来院時には、「仕事が終わる頃には腰が限界です。」「朝から腰が重く、出勤前からつらいです。」と話されていました。

仕事は続けたいものの、「このまま悪化するのではないか」という不安を抱えながら来院されたことを今でもよく覚えています。

とてもつらかったことと思います。

介護職の方に腰痛が多い理由

介護の仕事では、腰へ負担がかかる動作を避けることが難しい場面が少なくありません。

特に次のような動作は腰痛につながりやすいと考えられます。

① 中腰や前かがみ姿勢の繰り返し

おむつ交換やベッド介助では、前かがみの姿勢を長時間続けることがあります。

この姿勢では上半身の重さを腰の筋肉で支えるため、同じ動作を繰り返すほど腰への負担が蓄積していきます。

② 利用者様の移乗介助

利用者様を抱えたり支えたりする動作では、腰へ大きな負荷がかかります。

特に身体から離れた位置で持ち上げたり、膝を使わず腰だけで持ち上げたりすると負担はさらに大きくなります。

③ 腰をひねる動作

ベッドから車椅子への移乗では、利用者様を支えたまま身体をひねる場面があります。

持ち上げる動作とひねる動作が重なることで、腰への負担はさらに増えてしまいます。

④ 疲労が回復しにくい生活

夜勤や不規則な勤務、家事や育児などが重なると十分な休息を取りにくくなります。

疲労が回復しないまま仕事を続けることで、腰痛が慢性化してしまう方も少なくありません。

Tさんのお身体を検査して分かったこと

検査では腰だけでなく、股関節や骨盤周囲、お尻の筋肉にも強い緊張がみられました。

また、中腰や身体をひねる動作の際に、腰へ負担が集中しやすい身体の使い方になっていました。

腰痛が続くと、無意識に痛みを避ける動きになり、身体の左右差が大きくなることがあります。

その状態で仕事を続けると、腰以外の部位にも負担が広がり、痛みが長引く原因になることもあります。

そのため当院では、腰だけでなく骨盤や股関節、背中など全身のバランスを確認しながら施術を進めました。

足のしびれを伴う腰痛で注意したいこと

腰痛と一緒に足のしびれがある場合、その原因は一つではありません。

筋肉の緊張や姿勢の影響による場合もあれば、医療機関で詳しい検査が必要になるケースもあります。

次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 足に力が入りにくい
  • しびれが急激に悪化した
  • 排尿・排便に異常がある
  • 発熱を伴う強い腰痛
  • 転倒や事故の後から痛みが続く

Tさんにはこのような緊急性を疑う症状は見られなかったため、身体の状態を確認しながら施術を進めました。

詳しくはこちらもご覧ください⬇️

腰痛の危険サイン(レッドフラッグ)とは?病院を受診すべき症状を解説

「体を動かさずにじっとしていても腰の痛みが続き、治る気配が全くない」 「腰痛と共に激しい足のしびれが起こり、お尻の感覚も鈍い」 「腰痛と共に発熱までしている」 こ…

当院で行った施術

施術では、腰だけに注目するのではなく、骨盤や股関節、背中の動きまで確認しながら、身体全体のバランスを整えることを目的としました。

施術後は痛みやしびれの変化を確認し、その時々の状態に合わせて施術内容や通院間隔を調整しました。

また、介護職では日常の身体の使い方も重要です。

そのため施術だけでなく、介助姿勢やセルフケアについてもお伝えし、ご自宅や職場でも実践していただきました。

腰への負担を減らすためにTさんへお伝えしたこと

施術だけでなく、日常生活や仕事中の身体の使い方を見直すことも、腰痛の改善には大切です。Tさんには、次のようなポイントを意識していただきました。

利用者様との距離を近づける

移乗介助では、利用者様との距離が離れるほど腰への負担が大きくなります。介助を始める前に身体をできるだけ近づけ、腕だけで支えるのではなく全身を使って介助することをお伝えしました。

股関節と膝を使う

前かがみになる時は、腰だけを曲げるのではなく、股関節と膝を曲げて身体を下ろすことが大切です。こうすることで、腰への負担を分散しやすくなります。

腰だけをひねらない

利用者様を支えながら方向を変える時は、腰だけをひねるのではなく、足を踏み替えながら身体全体の向きを変えるようお伝えしました。

ご自宅で取り組んでいただいたセルフケア

股関節まわりのストレッチ

仕事前後に太ももやお尻、股関節まわりを無理のない範囲で動かしていただきました。身体を温めることで、腰への負担を軽減しやすくなります。

腹式呼吸

仕事や家事で緊張が続くと呼吸が浅くなりやすいため、鼻から約3秒吸い、口から約6秒かけてゆっくり吐く腹式呼吸を、起床時と就寝前に5回程度行っていただきました。

湯船につかる習慣

以前はシャワーだけで済ませることが多かったため、40℃前後のお湯に10〜15分ほど浸かることを提案しました。仕事後に身体を温め、リラックスする時間をつくることも大切です。

約6週間・6回の施術で腰痛と足のしびれが軽減

施術とセルフケアを続ける中で、腰痛は徐々に軽減し、足のしびれも気になりにくくなりました。

以前は仕事が終わる頃には腰が限界だったそうですが、次第に介助動作も楽になり、日常生活で感じる負担も少なくなっていきました。

症状が落ち着いた後は、月1回程度のメンテナンス通院へ移行し、現在も良い状態を維持されています。

初回来院時の不安そうな表情から笑顔が見られるようになり、私自身も大変うれしく感じました。

長年にわたるつらい腰痛でお悩みだった40代女性患者様の声

お名前 T・Iさん 年齢40代 女性

施術期間 6週間 施術回数 6回

Qどのような症状、お悩みでご来院されましたか?

腰・かた・足のしびれ・指

Q実際に施術を受けられていかがでしたか?

施術を受けることで痛みやしびれが改善し、仕事、生活がとてもしやすいです。

以前は月に1回通っていましたが今は週に1回通わせていただいてます。

※現在はまた月1回のメンテナンス通院に切り替えて継続しております。

初診の時とは別人のように顔つきも明るくなり、私としても嬉しく思います。

施術としては、身体のゆがみを整える治療と、自律神経の調整をする治療を行いました。

よくあるご質問

Q. 介護職の腰痛は仕事を辞めないと改善しませんか?

必ずしも仕事を辞める必要はありません。身体の状態に合わせた施術と、介助方法や身体の使い方を見直すことで改善が期待できる場合があります。

Q. 足のしびれがある場合も相談できますか?

はい、ご相談いただけます。ただし、筋力低下や排尿・排便の異常などがある場合は、医療機関での検査を優先していただくことをおすすめしています。

Q. 腰痛予防で一番大切なことは何ですか?

施術だけでなく、日頃の身体の使い方や休息、適度な運動を続けることが、腰への負担を減らすために重要です。

まとめ

介護職は、中腰姿勢や移乗介助など、腰へ負担がかかる動作を繰り返す仕事です。そのため、腰痛や足のしびれで悩まれる方は少なくありません。

今回ご紹介したTさんは、身体全体の状態を確認しながら施術を行い、あわせて介助姿勢やセルフケアを見直したことで、約6週間・6回の施術で症状が軽減しました。

腰痛やしびれは、人によって原因や経過が異なります。強いしびれや筋力低下、排尿・排便の異常などがある場合は、早めに医療機関を受診してください。

坂元台整骨院では、腰だけを見るのではなく、仕事中の身体の使い方や生活習慣も含めて確認し、一人ひとりの状態に合わせた施術をご提案しています。

介護の仕事を続けながら腰痛や足のしびれを改善したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

ご相談・ご予約はこちらから

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

腰痛について詳しい当院の考え方や施術内容については、こちらの腰痛ページでも詳しく解説しております。

⬇️

腰痛の治療  | 鹿児島市の坂元台整骨院

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参考文献

Non-specific low back pain
Maher C, Underwood M, Buchbinder R.
2017, The Lancet
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27745712/

慢性腰痛は画像所見だけでは説明できない場合も多く、身体要因だけでなく仕事環境や生活背景など複数要因が関与することが示されています。腰痛に対して包括的な評価や生活習慣改善の重要性が述べられています。


Low back pain among nurses: prevalence, and occupational risk factors
June KJ, Cho SH.
2011, International Journal of Nursing Studies
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21168194/

介護職・看護職では、中腰姿勢や移乗介助などによる腰痛リスクが高いことが示されました。長時間の前かがみ姿勢や身体介助動作が慢性的な腰痛につながる可能性が示唆されています。


Prevention of low back pain and its consequences among nurses' aides in elderly care: a stepped-wedge multi-faceted cluster-randomized controlled trial
Jensen LD, Gonge H, Jørs E, et al.
2020, BMC Public Health
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32907661/

高齢者介護に従事する職員を対象に、身体の使い方や作業環境改善を行うことで腰痛予防につながる可能性が示されました。介助姿勢やセルフケア指導の裏付けとして使いやすい研究です。


Effect of physical activity on chronic low back pain: systematic review and meta-analysis
Shnayderman I, Katz-Leurer M.
2013, Clinical Rehabilitation
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23035061/

適度な運動習慣は慢性腰痛に対して疼痛軽減や生活機能改善に有効である可能性が示されました。ストレッチや身体活動を提案する部分と相性が良い文献です。


Sleep and autonomic nervous system regulation in health and disease
Trinder J, et al.
2012, Sleep Medicine Reviews
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22024179/

睡眠と自律神経機能との関係をまとめたレビューです。睡眠不足や生活リズムの乱れが身体回復や慢性症状に影響する可能性が示されています。入浴や睡眠改善を説明する際に引用しやすい文献です。


(監修 柔道整復師 児玉寛武)