
今回のブログでわかること(要約)
「歯が痛いのに、歯医者では大きな異常が見つからなかった」「肩こりがひどくなると、奥歯まで痛くなる気がする」とお悩みではありませんか?
歯の痛みは、虫歯や歯周病など、歯そのものに原因があるケースが多いため、まずは歯科で検査を受けることが大切です。
一方で、歯科検査で明らかな異常が見つからない場合には、顎周辺の筋肉の緊張や食いしばり、首・肩の負担などが関係して、歯の周辺に痛みを感じることがあります。このように、痛みを感じている場所とは別のところに原因がある痛みを「関連痛」と呼びます。
今回は、慢性的な肩こりに加えて歯痛を感じるようになった30代女性の症例をご紹介します。身体全体の状態を確認し、首や肩、顎周辺にかかっていた負担を整えた結果、約2か月・7回の施術で症状が改善しました。
※施術の結果や改善までの期間には個人差があります。
- 1. 今回のブログでわかること(要約)
- 2. 肩こりがひどくなると歯まで痛くなっていた30代女性
- 3. 歯痛がある場合は、まず歯科での確認が必要です
- 4. 肩こりから歯痛を感じる原因として考えられること
- 4.1. 食いしばりによる顎周辺の筋肉の緊張
- 4.2. 頭が前に出た姿勢
- 4.3. 筋肉から生じる関連痛
- 5. 当院で身体を検査して分かったこと
- 6. 坂元台整骨院で行った施術
- 7. 約2か月・7回の施術で肩こりと歯痛が改善
- 8. ご自宅や職場で気をつけていただいたこと
- 8.1. 上下の歯を離す
- 8.2. 30分から1時間に一度は姿勢を変える
- 8.3. 息をゆっくり吐く
- 9. まとめ|歯だけでなく首・肩・顎を含めて考えることが大切です
- 10. 肩こりと歯痛があるときによくある質問
- 10.1. 肩こりを改善すれば、歯痛も治りますか?
- 10.2. 歯医者と整骨院のどちらへ行けばよいですか?
- 10.3. 顎を動かすと痛い場合も相談できますか?
- 11. 参考文献
肩こりがひどくなると歯まで痛くなっていた30代女性
今回ご紹介するのは、デスクワーク中心のお仕事をされている30代女性Cさんです。
もともと肩こりを感じやすく、仕事が忙しくなると首から肩にかけて重だるさが強くなっていました。それまでは、入浴したり肩を揉んだりすると、ある程度は楽になっていたそうです。
ところが、数か月前から肩こりが強くなるのと同時に、奥歯の周辺にも鈍い痛みを感じるようになりました。
最初は虫歯だと思い歯科を受診しましたが、痛みの原因となるような大きな異常は見つかりませんでした。それでも痛みは繰り返し、特に仕事が忙しかった日や長時間パソコンを使用した日の夕方になると、歯の周辺がズーンと重く感じられたそうです。
次第に、「このまま歯の痛みが続くのではないか」「検査で異常がないのに、なぜ痛いのだろう」と不安を感じるようになり、ご相談のため当院へ来院されました。
先の見えない不安の中で、毎日を過ごされていたこととお察しいたします。
歯痛がある場合は、まず歯科での確認が必要です

歯が痛むときに、最初から肩こりや身体のゆがみが原因だと判断することはできません。
歯痛の原因としては、虫歯、歯周病、歯の神経の炎症、親知らず、歯の破折、噛み合わせによる負担など、さまざまな問題が考えられます。
そのため、次のような症状がある場合には、まず歯科を受診することが大切です。
- 冷たいものや温かいものがしみる
- 歯茎が腫れている
- 噛むと特定の歯が強く痛む
- 夜も眠れないほどズキズキ痛む
- 顔や顎が腫れている
- 発熱や強い倦怠感を伴う
- 痛みが急激に強くなっている
歯や歯周組織に原因がある場合は、歯科での治療が必要です。
一方、歯科で検査を受けても原因がはっきりしない歯痛は、「非歯原性歯痛」と呼ばれることがあります。これは歯そのものではなく、顎の筋肉、神経、頭痛、鼻や副鼻腔など、別の場所の問題によって歯に痛みを感じる状態です。歯の痛みには歯由来と歯以外の原因があり、両者を慎重に見分ける必要があります。
肩こりから歯痛を感じる原因として考えられること
食いしばりによる顎周辺の筋肉の緊張
肩こりと歯痛の両方がある方に多く見られるのが、無意識の食いしばりです。
集中してパソコン作業をしているときや、ストレスを感じているときに、上下の歯を強く接触させている方は少なくありません。
食事や会話をしていないとき、本来は上下の歯の間にわずかな隙間があります。しかし、長時間歯を食いしばっていると、咬筋や側頭筋など、顎を動かす筋肉に負担がかかります。
これらの筋肉が過度に緊張すると、顎や頬だけでなく、歯の周辺に痛みを感じることがあります。顎関節や咀嚼筋(そしゃくきん)に関係する痛みは、こめかみ、耳、顔、首などへ広がる場合もあります。
毎日忙しくお仕事をしていると、こうなってしまうのも無理もないことです。
頭が前に出た姿勢

デスクワークやスマートフォンの使用時間が長くなると、背中が丸まり、頭が身体より前へ出やすくなります。
人間の頭は重いため、頭の位置が前に移動すると、首や肩の筋肉は頭を支えるために緊張し続けます。
さらに、頭が前に出た姿勢では顎の位置や動きにも影響が加わりやすく、首・肩・顎周辺へ同時に負担がかかることがあります。顎関節周辺の問題と頸部の症状には関連がみられることが報告されていますが、肩こりが直接すべての歯痛を起こすという意味ではありません。
筋肉から生じる関連痛
身体には、原因となる場所とは異なる部位に痛みを感じる「関連痛」という仕組みがあります。
例えば、顎を動かす筋肉の一つである咬筋に強い緊張が生じると、頬や顎だけでなく、奥歯付近に痛みを感じる場合があります。
そのため、実際には歯に大きな異常がなくても、ご本人は「歯が痛い」と感じることがあります。筋肉由来の痛みが歯痛のように感じられるケースも報告されているため、歯科的な原因が除外された後は、顎や首、肩を含めた評価が必要になることがあります。
当院で身体を検査して分かったこと
今回の女性は、歯の痛みだけを確認するのではなく、普段の姿勢や首の動き、肩の高さ、背骨や骨盤のバランスなどを確認しました。
検査では、次のような特徴がみられました。
- 頭が身体より前に出ている
- 背中が丸くなりやすい
- 首から肩にかけて筋肉の緊張が強い
- 左右の肩の高さに差がある
- 顎周辺の筋肉に強いこわばりがある
- パソコン作業中に食いしばる癖がある
- 首を動かせる範囲が狭くなっている
ご本人に普段の様子を詳しく伺うと、仕事に集中しているときには歯を食いしばり、肩にも力が入っていることが分かりました。

この状態では、顎周辺だけを緩めても、頭が前に出た姿勢や首・肩の緊張が残っていれば、再び負担がかかる可能性があります。
そこで当院では、今回の歯痛には食いしばりだけでなく、デスクワーク時の姿勢や首・肩の緊張、身体全体のバランスが複合的に関係している可能性があると考えました。
このような状態で毎日お仕事を続けてこられたのは大変だったことと思います。
坂元台整骨院で行った施術

施術では、歯そのものに対する治療は行っていません。
身体に強い刺激を加えるのではなく、首や肩、背骨、骨盤の状態を確認しながら、身体全体のバランスを整えていきました。
強く揉んだり、首をボキボキ鳴らしたりするのではなく、身体の反応を確認しながら、無理のない刺激で進めました。
また、施術だけでなく、仕事中の食いしばりを減らすための注意点もお伝えしました。
約2か月・7回の施術で肩こりと歯痛が改善
初回の施術後は、「首が動かしやすくなり、肩が軽くなった」と話されていました。
ただし、長期間続いていた姿勢や食いしばりの癖は、1回の施術ですべて変わるものではありません。仕事が忙しい日には肩こりが強くなり、それに伴って歯の周辺にも違和感が出ることがありました。
そこで、身体の状態を確認しながら継続して施術を行いました。
3回目頃から、仕事後の肩の重さが以前より軽くなり、歯痛を感じる時間も短くなりました。
5回目頃には、長時間パソコンを使用した日でも歯の痛みが出ない日が増え、肩こりも日常生活で気にならない程度まで落ち着きました。
約2か月・7回目の施術時には、歯の痛みはほとんど感じなくなり、肩こりも大きく改善しました。
ご本人からは、「歯が悪いと思っていたので、首や肩の状態も関係していたことに驚きました」「痛みを気にせず仕事ができるようになって安心しました」とのお言葉をいただきました。
笑顔でお話しされているお姿を見て私も嬉しい気持ちになりました。

現在は良い状態を維持するため、日常生活での姿勢と食いしばりに注意していただきながら月一回のメンテナンスを継続しています。
※これは一症例の経過であり、すべての方が同じ回数・期間で改善するとは限りません。
ご自宅や職場で気をつけていただいたこと
上下の歯を離す
食事や会話をしていないときは、上下の歯を強く接触させないようにします。
仕事中に食いしばる癖がある方は、パソコンの近くに「歯を離す」「力を抜く」などと書いたメモを置く方法もおすすめです。
30分から1時間に一度は姿勢を変える
良い姿勢であっても、長時間同じ姿勢を続けると首や肩に負担がかかります。
定期的に立ち上がり、肩を回したり、深呼吸したりして、身体をリセットしましょう。
息をゆっくり吐く
緊張していると、呼吸が浅くなり、肩にも力が入りやすくなります。
鼻から3秒程度かけて息を吸い、口から6秒程度かけてゆっくり吐きます。無理のない範囲で数回繰り返してください。
まとめ|歯だけでなく首・肩・顎を含めて考えることが大切です

歯が痛むときには、まず虫歯や歯周病など、歯そのものの問題がないかを歯科で確認することが大切です。
その一方で、歯科検査で大きな異常が見つからず、肩こりが強くなるタイミングで歯痛も悪化する場合には、食いしばり、顎周辺の筋肉の緊張、首や肩の負担、デスクワーク時の姿勢などが関係している可能性があります。
今回の30代女性も、歯だけでなく身体全体の状態を確認し、首・肩・背骨・骨盤のバランスを整え、食いしばりや姿勢を見直したことで、約2か月・7回の施術後には肩こりと歯痛が改善しました。
「歯医者で異常はないと言われたけれど、歯の周辺が痛む」
「肩こりがひどくなると、奥歯まで痛くなる」
このようなお悩みがある方は、歯科で必要な検査を受けたうえで、首や肩、顎周辺を含めた身体全体の状態にも目を向けてみてください。
鹿児島市で肩こりや、肩こりに伴う顎・歯の周辺の違和感にお悩みの方は、坂元台整骨院へご相談ください。
肩こりと歯痛があるときによくある質問

肩こりを改善すれば、歯痛も治りますか?
すべての歯痛が肩こりの改善によって治るわけではありません。
虫歯や歯周病、歯の神経の炎症などがある場合は、歯科での治療が必要です。歯科検査で異常がなく、肩こりや食いしばりに伴って痛みが変化する場合には、首や肩、顎周辺の負担が関係している可能性があります。
歯医者と整骨院のどちらへ行けばよいですか?
歯が痛む場合は、最初に歯科を受診してください。
歯や歯茎に問題がないことを確認したうえで、肩こり、首こり、姿勢の崩れ、食いしばりなどがある場合には、身体の状態を確認することが選択肢になります。
顎を動かすと痛い場合も相談できますか?
口が開きにくい、顎が痛い、顎から音が鳴るなどの症状がある場合は、顎関節症なども考えられます。
当院では顎関節症にお悩みの方にも対応させていただいておりますので、お気軽にご相談ください。
参考文献
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