今回のブログでわかること

「肩こりストレッチをしているのに、なかなか楽にならない」

「マッサージを受けても、しばらくすると元に戻ってしまう」

長く肩こりに悩んでいる方から、このようなお話を聞くことがあります。

今回ご紹介するのは、20代のころから肩こりに悩んでいた50代女性Tさんです。

デスクワーク中心のお仕事を続けながら、マッサージやYouTubeを見てのストレッチにも取り組んでいましたが、思うような変化を感じられませんでした。

当院では、肩だけを見るのではなく、首・背中・骨盤など身体全体を確認しました。そして施術とTさんの身体に合わせた3つのセルフケアを続けた結果、約2か月・6回の施術で肩こりが大幅に改善しました。

今回はTさんの症例とともに、自宅でできる肩こりストレッチを3つご紹介します。

※施術の結果や改善までの期間には個人差があります。


20代から肩こりに悩んでいた50代女性

Tさんは、デスクワーク中心の事務職をされている50代女性です。

肩こりが始まったのは20代のころでした。

つらくなるたびにマッサージへ通っていました。

施術を受けた直後は、「気持ちいい。肩が軽くなった」と感じるものの、しばらくすると元に戻ってしまいます。

自宅ではYouTubeを見ながら自分で肩こりストレッチも続けていました。

それでも、思っていたほどの変化は感じられませんでした。

長年いろいろ試しても変わらないと、「もう肩こりとは付き合っていくしかないのかな」と感じてしまう方もいらっしゃると思います。

Tさんも肩こりが強い日は仕事へ集中しにくくなるほど困っていました。

そこで、ご友人の紹介で坂元台整骨院へ来院されました。

長い間、つらい肩こりを抱えながら過ごしてこられたことを思うと、本当に大変だったことと思います。


肩だけではなく身体全体を調べてみました

問診のあと、Tさんの姿勢や身体の動きを確認しました。

目立っていたのが、「頭が前へ出た姿勢」「巻き肩」「猫背」「肩まわりの強い筋肉の緊張」でした。

デスクワークでは、画面を見るために頭が少しずつ前へ出やすくなります。

頭をボウリングの球にたとえてみてください。

重たい球を身体の真上で支えるのと、腕を伸ばして身体より前で支えるのとでは、後者のほうが大変ですよね。

首や肩も似ています。

頭が身体より前へ出た姿勢が長く続けば、首や肩まわりへの負担が増えることがあります。

日本整形外科学会でも、首や背中が緊張する姿勢での作業、猫背や前かがみ、長時間同じ姿勢を続けることなどが肩こりの要因として挙げられています。

今回のTさんのように長く続く症状は、それだけでも大きなストレスになります。これまで我慢されてきたお気持ちを思うと、少しでもお力になりたいとこの時感じました。


坂元台整骨院で行った施術

検査を行うと、Tさんは骨盤・胸椎(背中)・頚椎(首)の3か所に反応がみられました。

そこで、強くひねったり無理にボキボキしたりするのではなく、身体の状態を確認しながらソフトな整体で調整しました。

さらに、遠絡療法による東洋医学的なアプローチも加えました。

遠絡療法では身体のポイント(つぼ)を刺激して血行促進していきます。

鍼を刺したり、お灸をすえたりする方法ではないため、「鍼やお灸は少し苦手」という方にも取り入れやすい方法のひとつです。

遠絡療法に関する詳しい内容はこちらから

ただし、私がTさんにお伝えしたのは、「院で施術を受ける時間だけではなく、普段の過ごし方も大切ですよ」ということでした。

そこでTさんの姿勢や身体の状態に合わせて、3つのセルフケアを提案しました。


自宅で取り組んでもらった肩こりストレッチ3選

① 壁を使った胸を開くストレッチ

スマホやパソコンを長く使っていると、肩が前へ入り、背中が丸まりやすくなります。

そこで、胸の前をゆっくり伸ばします。

手のひらを天井側へ向け、頭より後ろ側で壁に手をつけます。無理のない範囲で、手は頭より高い位置を目安にしてください。

そのまま身体をゆっくり壁へ近づけます。

胸の前が「気持ちよく伸びている」と感じる程度で十分です。

深呼吸をしながら左右30秒ずつ行います。

お風呂上がりや寝る前など、毎日の生活に組み込むと続けやすくなります。


② 後頭部で壁を軽く押しながら深呼吸

壁に背中をつけて立ち、後頭部も壁につけます。

そこから、首の後ろが伸びる感覚が出る程度まで、あごを軽く引きます。

後頭部を壁へやさしく押しながら深呼吸を10回行います。

呼吸は、鼻から3秒かけて吸う → 6秒かけてゆっくり吐くことを目安にしました。

息を吐く時間を長めにするのがポイントです。

猫背が強く、無理をしないと後頭部が壁につかない方は、壁で行う必要はありません。

床に寝て頭の下に枕を置き、あごを軽く引きながら枕をやさしく押す方法でも行えます。


③ 壁を使って肩甲骨を寄せるストレッチ

手の指先が下を向くようにして、手のひらを壁につけます。

手首はできる範囲で曲げます。

そこから壁についている側のひじを、背中の中心へ近づけるイメージで身体をゆっくり壁へ寄せます。

ひじを背中の中心へスライドさせる」ような感覚です。

ただし、強く行う必要はありません。

軽く痛気持ちいい程度にとどめます。

3秒かけて鼻から息を吸い、6秒かけて吐きながら身体を壁へ近づけます。

左右10回ずつを目安にしました。

肩がとてもかたく動かしにくい方や、もともと肩関節を痛めている方は無理に行わないでください。


肩こりストレッチは「その人に合っているか」も大切です

Tさんも来院前からストレッチをしていました。

それでも十分な変化を感じられていませんでした。

ストレッチが悪かったという意味ではありません。

大切なのは、今の身体にどんな負担がかかっているのかを確認し、それに合った方法を選ぶことだと私は考えています。

実際、オフィスワーカーを対象とした研究でも、首や肩の運動が痛みの軽減につながる可能性が報告されています。一方で、研究によって運動内容や効果には違いがあり、ストレッチだけですべての肩こりが改善するとは言い切れません。

そのため、「肩がこるから、とにかく肩を伸ばす」という考え方だけではなく、姿勢や仕事環境、身体の動かし方なども含めて考えることが大切です。


約2か月・6回で仕事中の肩こりが大幅に改善

Tさんには施術と並行して、ご自宅で3つのセルフケアを続けていただきました。

約2か月・6回の施術を終えるころには、長年悩んでいた肩こりが大幅に改善しました。

以前は肩こりが気になって仕事へ集中できない日もありました。

今では快適に仕事ができるようになり、とても喜んでいただけました。

長年つらかった肩こりが楽になり、仕事にも集中できるようになったと聞けたことは、私もとてもうれしく思います。


まとめ|肩こりストレッチをしても繰り返す方へ

肩こりストレッチは、自宅で身体を動かす方法のひとつです。

ただ、何年も肩こりを繰り返している場合は、肩だけではなく、首・背中・肩甲骨の動きや普段の姿勢なども関係していることがあります。

「マッサージを受けてもすぐ戻る」

「YouTubeを見ながらストレッチしているけれど変わらない」

そんな方は、一度身体全体の状態を確認してみるのもひとつの方法です。

坂元台整骨院では、肩だけをみて施術方法を決めるのではなく、問診と検査を行い、一人ひとりの身体の状態に合わせた施術やセルフケアをご提案しています。

肩こりでお悩みの方は、当院の「肩こりについて」のページもあわせてご覧ください。

長く続く肩こりで仕事や家事がつらい方は、お気軽にご相談ください。

※強い痛み、腕や手のしびれ・力の入りにくさ、強い頭痛や吐き気、胸の痛みなどを伴う場合や、症状が急に悪化した場合には、セルフケアだけで様子をみず医療機関へご相談ください。


肩こりストレッチについてよくある質問

Q1.肩こりストレッチは毎日してもいいですか?

痛みがなく、気持ちよく伸ばせる範囲であれば、生活の中へ無理なく取り入れる方法があります。ただし、回数を増やせば増やすほど良いわけではありません。痛みが出る場合は中止してください。

Q2.ストレッチは強く伸ばしたほうが効きますか?

強い痛みを我慢する必要はありません。「少し伸びて気持ちいい」と感じる程度を目安にしてください。

Q3.デスクワーク中の肩こりには何が大切ですか?

ストレッチだけでなく、長時間同じ姿勢を続けないことも大切です。ときどき立ち上がったり、肩や背中を動かしたりして、姿勢を切り替えてみてください。

Q4.肩こりストレッチをしても良くならない場合はどうすればいいですか?

肩こりにはさまざまな原因があります。長期間続く場合や、セルフケアをしても改善しない場合は、医療機関などで原因となる病気がないか確認することも大切です。


参考文献

  1. 日本整形外科学会「肩こり」
  2. Tunwattanapong P, et al. The effectiveness of a neck and shoulder stretching exercise program among office workers with neck pain: a randomized controlled trial. Clinical Rehabilitation. 2016.
  3. Louw S, et al. Effectiveness of exercise in office workers with neck pain: a systematic review and meta-analysis.South African Journal of Physiotherapy. 2017.
  4. Jones LB, et al. The influence of exercise on pain, disability and quality of life in office workers with chronic neck pain: A systematic review and meta-analysis. Applied Ergonomics. 2024.

(監修 柔道整復師 児玉寛武)