今回のブログでわかること

あばらの下がジッとしていても痛む症状は、病院で検査を受けても「異常なし」と言われることが少なくありません。

今回ご紹介する患者さんは、内臓の病気でも肋間神経痛でもなく、自律神経の乱れによる血流の低下が痛みの根本原因になっていました。

体を活動モードにする交感神経が優位なままだと、血管が縮んで血の巡りが悪くなります。その場所に酸素が届きにくくなり、痛みに関係する物質がたまって神経を刺激するのです。

対策として、あばらの下についている横隔膜をゆるめるセルフケアを2つご紹介します。

詳しく解説していきますので、一緒に解決していきましょう!

この記事を書いた人

坂元台整骨院(鹿児島県鹿児島市)院長 児玉 寛武

カイロプラクティック・遠絡療法(東洋医学的アプローチ)を用いて、体の不調の「本当の原因」を全身から見極める施術を行っています。鹿児島市を中心に、地域の皆さまの健康をサポートしています。

「あばらの下が24時間ズキズキ痛む」80代女性のお悩み

先日、80代の女性の方が当院にいらっしゃいました。

「両方のあばらの下が、ジッとしていてもとても痛いんです…」とお話しされていました。

病院で診察を受けたけれど「異常なし」。処方された痛み止めも効かない。

24時間ずっとズキズキと痛みが続いて、家事も睡眠もつらい。買い物に行くのも億劫になってしまう。

「この痛みの原因は一体何なのか」という不安を抱えて来院されました。

とても辛かったことと思います。

しかし、本当の原因から対処していくことで、症状が緩和されていきました。

その後、患者さんから喜びの声をいただくことができました。

①あばらの下の痛みは「内臓の病気」が原因とは限らない

あばらの下が痛むと、多くの方は「内臓に何かあるのでは」「これって肋間神経痛では」と考えます。

実際、この場所の痛みには内臓の病気が関わっていることもあります。まず病院で検査を受けること、これが何より大切です。

ただ、検査で「異常なし」と言われたのに、痛みだけは続いているという方も少なくありません。

この患者さんを当院で検査したところ、体を活動モードにする「交感神経」が優位になった、自律神経の乱れが確認できました。

②なぜ自律神経の乱れが、あばらの下の痛みになるのか

交感神経が優位になると、体は緊張モードのまま、力が抜けなくなります。

24時間ずっと見張りを立て続けている状態

たとえるなら、24時間ずっと見張りを立て続けているような状態です。

夜は見張りを下ろして休むはずが、立ちっぱなしのままになってしまいます。

血流が落ちて、痛みの物質がたまる

この状態が続くと、血管が縮んで血の巡りが悪くなり、その場所に十分な酸素が届きにくくなります。

さらに、痛みに関係する物質がたまりやすくなって、それが神経を刺激します。これがコリや痛みにつながっていくのです。

甲状腺の治療歴も関係していた可能性

この方には、もうひとつ気になることがありました。

以前、甲状腺の機能が高くなる病気で通院されていた時期があったのです。

今は落ち着いているとのことでしたが、甲状腺のホルモンが増えると、交感神経のスイッチが入りやすくなることがあります。

③坂元台整骨院での「あばらの下の痛み」へのアプローチ

当院では、痛む場所だけでなく体全体を検査していきます。

この患者さんには、2つの手技を組み合わせました。

ひとつは遠絡(えんらく)療法。体のツボを使って、血流などの巡りを上げていく施術です。

もうひとつはカイロプラクティックで、自律神経のバランスを整えます。

痛む場所を強く押したり揉んだりすることはありません。

約6週間・5回の施術で症状は改善し、今は1ヶ月に1回のメンテナンスで良い状態をキープされています。

④自宅でできる「横隔膜」のセルフケア

実は、あばらの下には「横隔膜(おうかくまく)」という、呼吸をするときに働く大きな筋肉がついています。

緊張モードが続くと呼吸は浅くなり、この横隔膜も動きにくくなります。

ここでは、この横隔膜をゆるめて、あばらの下の巡りを取り戻していくセルフケアを2つご紹介します。

横隔膜をゆるめるマッサージ

始める前に、注意点をお伝えします。

強く押す必要はありません。軽く当てるくらいの力加減で十分です。痛いところまで押さないように注意してください。

お風呂上がりや寝る前に行うと、体が温まっているぶん、ゆるみやすくなります。そのときのお湯は、40度くらいのぬるめがおすすめです。熱すぎるお湯は、かえって体を緊張させてしまうことがあります。

  1. 椅子に浅く腰かけて、背もたれから背中を離します。
  2. 足の裏を床にしっかりつけて、肩の力を抜きます。
  3. みぞおちの下あたりに、両手の指先を当てます。
  4. 息を吐きながら、ゆっくりと指を押し込んでいきます。
  5. 硬いところがあれば、そこを重点的にほぐします。
  6. 30秒ほど続けます。

横隔膜を呼吸でゆるめるストレッチ

  1. 椅子に浅く腰かけて、足の裏を床につけます。
  2. 両手をお腹の上に置きます。
  3. 鼻から4秒かけて、ゆっくり息を吸います。お腹が膨らむのを手で確認してください。
  4. 口から8秒かけて、ゆっくり息を吐きます。お腹がへこむのを手で確認します。
  5. これを10回くり返します。

吸う時間の倍をかけて吐く。この「1対2」がポイントです。

吐く息を長くすることで、体を休ませる副交感神経が働きやすくなります。

この2つは、1日2回、朝と晩を目安に行ってみてください。寝る前に行うと、眠りの質も良くなります。

まとめ

今回のポイントをまとめます。

あばらの下の痛みは、まず病院で検査を受けることが大切です。

そのうえで「異常なし」と言われた痛みには、自律神経の乱れによる血流の低下が関わっていることがあります。

セルフケアは、あばらの下についている横隔膜を、マッサージと呼吸の2つからゆるめていく方法です。

今回の患者さんは、約6週間・5回の施術で症状が改善し、今は1ヶ月に1回のメンテナンスで良い状態をキープされています。

病院で検査を受けて「異常なし」と言われた症状でも、良くなる場合があります。一人で抱え込まずに、まずはご相談ください。

ご相談はホームページから

あばらの下の痛みや、原因のわからない不調でお悩みの方は、当院のホームページからお気軽にご相談ください。

ご相談・ご予約はこちらから

参考文献

  1. Zaccaro A, et al. How Breath-Control Can Change Your Life: A Systematic Review on Psycho-Physiological Correlates of Slow Breathing. Front Hum Neurosci. 2018;12:353.
  2. Laborde S, et al. Effects of voluntary slow breathing on heart rate and heart rate variability: A systematic review and a meta-analysis. Neurosci Biobehav Rev. 2022.
  3. Nilsson OR, Karlberg BE. Thyroid hormones and the adrenergic nervous system. Acta Med Scand Suppl.1983;672:27–32.
  4. Gulati M, et al. 2021 AHA/ACC/ASE/CHEST/SAEM/SCCT/SCMR Guideline for the Evaluation and Diagnosis of Chest Pain. J Am Coll Cardiol. 2021.

監修:児玉 寛武/坂元台整骨院 院長