今回のブログでわかること(要約)
「小さい頃から猫背で、姿勢に自信が持てない」
「背筋がビシッと伸びた姿勢になりたい」
「痛みはないけれど、姿勢を改善するために整骨院へ相談してもいいのだろうか?」
このようなお悩みはありませんか?
今回は、長年の猫背姿勢を気にされていた60代男性Jさんの症例をご紹介します。
Jさんは事務職として長年勤務されており、日中は座っている時間が長いとのことでした。
当院では、カイロプラクティックによる施術と、ご自宅でのストレッチを組み合わせて、姿勢の見直しに取り組んでいただきました。
その後、初診時と現在の姿勢写真を比較したところ、見た目にも変化がみられ、Jさんにも大変喜んでいただけました。
今回は、その取り組みと当院が大切にしている考え方についてお伝えします。
この記事を書いた人

坂元台整骨院(鹿児島県鹿児島市)院長 児玉 寛武
カイロプラクティック・遠絡療法(東洋医学的アプローチ)を用いて、体の不調の「本当の原因」を全身から見極める施術を行っています。鹿児島市を中心に、地域の皆さまの健康をサポートしています。
小さい頃から猫背が気になっていた60代男性Jさん

こんにちは。
鹿児島市玉里団地で坂元台整骨院を開業しております、院長の児玉寛武です。
当院には腰痛や肩こり、しびれなど、身体の不調でお困りの方が多く来院されます。
しかし、今回ご紹介するJさんは、少し違ったお悩みで来院されました。
それは、「長年の猫背姿勢を何とか改善できないでしょうか?」というご相談でした。
Jさんは小さい頃から猫背が気になっており、もっと背筋がビシッと伸びた姿勢になりたいと考えていらっしゃいました。
ただし、腰痛や肩こりなどの痛みはなく、普段の生活にも特に支障はないとのことでした。
痛みがなくても、姿勢が気になるお気持ちは大切です
姿勢のお悩みは、周囲の人にはなかなか理解してもらえないこともあると思います。
特に、小さい頃から気になっていることであれば、ご自身の姿勢を写真や鏡で見るたびに、複雑な気持ちになることもあるかもしれません。

「痛いわけではないのだから、気にしなくてもいいのでは?」
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、猫背だからといって、必ず身体に問題があるわけではありません。
しかし、私は、痛みがあるかどうかだけで、その方のお悩みの大きさを判断するべきではないと考えています。
長年気になっていた姿勢を少しでも変えたい。
そのお気持ちも、十分に大切なご相談だと思っています。
そこで今回は、Jさんのご希望を伺いながら、姿勢の見直しに取り組むことにしました。
Jさんの姿勢を確認して分かったこと
問診で普段の生活についてお話を伺うと、Jさんは長年、事務のお仕事をされており、座っている時間が長いとのことでした。

実際にお身体を確認すると、次のような特徴がみられました。
- 頭が身体より前方へ出ている
- 両肩が前方へ入り込む、いわゆる巻き肩の姿勢
- 胸の筋肉周囲に強い緊張がみられる
- 股関節の前側にある筋肉にも強い緊張がみられる
これらは、当院で確認したJさんの身体の特徴です。
ただし、長時間のデスクワークだけが猫背の原因だったと断定できるわけではありません。
姿勢には、生まれ持った身体の特徴や日頃の習慣、筋肉や関節の状態など、さまざまな要因が関係しています。
長時間座っていると、なぜ姿勢が変化するのでしょうか?
例えば、長時間パソコンの画面を見ていると、無意識に顔が画面へ近づいたり、肩が前に出たりすることがあります。
これは、長時間同じ姿勢で本を読んでいると、いつの間にか顔が本へ近づいてしまうことに似ています。
その姿勢が続けば、特定の筋肉が緊張したり、反対にあまり使われない筋肉が出てきたりする場合があります。
また、座っている時間が長いと、股関節を曲げた姿勢が続きます。
そのため、股関節の前側にある筋肉の柔軟性が気になる方もいらっしゃいます。
ただし、特定の筋肉が硬いことだけで、猫背の原因を説明できるわけではありません。
私は、身体全体の動きや日常生活の様子を確認しながら、その方に合った方法を考えることが大切だと思っています。
当院で行ったカイロプラクティックによる施術
Jさんには、カイロプラクティックという手技を用いて、骨盤から背骨にかけてアプローチしました。

当院では、猫背だからといって、背中だけを無理に伸ばせばよいとは考えていません。
背骨は首から腰までつながっており、骨盤とともに身体を支える役割を担っています。
例えば、積み木を重ねた状態を想像してみてください。
一つひとつの積み木の位置や向きによって、全体の形やバランスは変わりますよね。
人間の身体は積み木ほど単純ではありませんが、姿勢を考えるときにも、一部分だけでなく全体のつながりを見ることが大切だと私は考えています。
私の臨床の見立てについて
私は、背骨や骨盤への適切な刺激が、身体の感覚や筋肉の働きを調節する神経系に影響する可能性があると考えています。
こうした考え方を踏まえ、Jさんには身体のバランスを整えることを目指した施術を行いました。
ただし、カイロプラクティックによって骨格の位置が恒久的に矯正されることや、猫背が必ず改善することが医学的に証明されているわけではありません。
また、姿勢の変化には、施術だけでなく、ご本人が日常生活で取り組む運動や姿勢への意識なども関係する可能性があります。
そのため当院では、施術とあわせて、ご自宅でできるセルフケアも大切にしています。
Jさんに実践していただいた2つのセルフケア
Jさんには、キャットレッチと腸腰筋のストレッチをお伝えしました。
① キャットレッチ|胸を開いて背中を動かす
キャットレッチは、胸の前側を開き、背中や肩周囲を動かすストレッチです。
基本的な方法は次のとおりです。
- 椅子に座るか、安定した姿勢で立ちます。
- 手のひらが上を向くように指を身体の後ろで組む。
- 手を下に引きながら、左右の肩甲骨を寄せるように、しっかり肩を後ろに引く。肩を引く際に鼻から息を吸う。
- アゴが天井に引っ張られるように頭を後ろに倒し、組んだ手を下に引くように伸ばす。頭を後ろに倒しながら、尖らせた口から「フーッ」と細く息を吐き続ける。
- そのままの姿勢で3つ数えてから頭を起こし、肩の力を抜く。頭を倒して3秒数える間も息は細く吐き続ける。
腰を強く反らせる必要はありません。
Jさんには、朝晩それぞれ5回ずつを目安に取り組んでいただきました。

② 腸腰筋のストレッチ|股関節の前側を伸ばす
腸腰筋(ちょうようきん)は、お腹の奥にある筋肉で、主に脚を持ち上げる動作などに関係しています。
長時間座っている方では、股関節の前側を動かす機会が少なくなることがあります。
そこで、片膝立ちの姿勢から、股関節の前側をゆっくり伸ばす方法をお伝えしました。
- 片膝立ちになり、前の膝を曲げます。
- 上半身を起こしたまま、骨盤をゆっくり前方へ移動させます。
- 後ろ側の股関節の前面が心地よく伸びる位置で止めます。
- 10秒間保ち、反対側も同様に行います。
こちらは朝晩それぞれ5回ずつを目安に取り組んでいただきました。

膝に不安がある場合は、無理に片膝立ちを行わず、別の方法を選ぶことが大切です。
いずれのストレッチも、痛みが出るほど強く伸ばす必要はありません。
施術を重ねるなかで姿勢に変化がみられました
Jさんには、最初の1か月間は週1回のペースで施術を受けていただきました。
その後、2か月目は2週間に1回のペースへ変更しました。
お身体の状態を確認したところ、当院の評価では姿勢に一定の変化がみられたため、その後は月1回の施術で様子を見ていくことにしました。
そして、初診時に撮影させていただいた写真と、施術を進めた現在の姿勢写真を比較していただきました。
すると、写真に写る姿勢の違いをご覧になったJさんは、大変喜んでいらっしゃいました。

そのお姿を拝見して、私も本当に嬉しく思いました。
今回のJさんは、もともと痛みやしびれがあったわけではありません。
それでも、長年気になっていた姿勢に変化がみられたことは、ご本人にとって大きな意味があったのだと思います。
私自身も、患者さんが望んでいた変化を一緒に確認できることは、日々の仕事のなかで大きな喜びの一つです。
なお、写真で確認された姿勢の変化はJさん個人の経過です。施術とセルフケアのどちらがどの程度影響したかは明確ではなく、すべての方に同じ変化が起こるわけではありません。
まとめ|痛みがなくても、姿勢のお悩みはご相談ください

今回は、小さい頃から猫背姿勢を気にされていた60代男性Jさんの症例をご紹介しました。
Jさんには、カイロプラクティックによる骨盤・背骨への施術と、キャットレッチ、腸腰筋ストレッチを継続していただきました。
最初は週1回、次に2週間に1回、その後は月1回の施術へ移行し、姿勢写真でも変化が確認されました。
当院には腰痛や肩こり、しびれなどの症状で来院される方が多くいらっしゃいます。
しかし、「痛みはないけれど、長年気になっている姿勢を見直したい」というご相談にも対応しています。
姿勢には個人差があり、猫背だからといって必ずしも身体に悪いわけではありません。
それでも、ご自身が気になっていることを少しでも変えたいというお気持ちは、大切にしたいと思っています。
鹿児島市で猫背や巻き肩など、姿勢についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
今回のブログが、同じようなお悩みをお持ちの方のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
- 厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』
- World Health Organization. WHO Guidelines on Physical Activity and Sedentary Behaviour. 2020.
- Katzman WB, et al. Targeted spine strengthening exercise and posture training program to reduce hyperkyphosis in older adults: a randomized controlled trial. Osteoporosis International. 2017;28:2831–2841.
※本記事は個人が特定されないよう配慮した症例紹介です。施術やセルフケアによる姿勢の変化には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。
(監修:柔道整復師 児玉寛武)


