
今回のブログでわかること(要約)
「テニス肘と言われて湿布やサポーターを使っているけれど、なかなか良くならない」「肘が痛くてパソコンや家事までつらい」とお悩みではありませんか?
今回ご紹介するのは、半年ほど続く肘の痛みに悩んでいた、デスクワーク中心の40代女性Aさんの症例です。
整形外科で湿布やテニス肘用のサポーターを使用し、その後は整骨院で肘周辺のマッサージや電気治療も受けていましたが、思うような変化がありませんでした。
当院で身体全体を確認すると、肘だけでなく、長時間のデスクワークによって負担がかかりやすい首や腰の動き、身体全体の連動性にも気になるところがみられました。
そこで肘だけに施術を集中させず、検査で問題がみられた首・腰・肘関節を調整。その結果、約2か月・6回の施術で肘の痛みは大幅に改善し、パソコン作業や料理なども以前のように行えるようになりました。
今回はAさんの症例をもとに、テニス肘がなかなか改善しないときに考えたい身体の使い方や、当院で行った施術についてご紹介します。
※施術の結果や改善までの期間には個人差があります。
- 1. 今回のブログでわかること(要約)
- 1.1. この記事を書いた人
- 2. 半年間テニス肘の痛みに悩んでいた40代女性
- 3. 湿布やサポーター、肘のマッサージを続けても変化がありませんでした
- 4. テニス肘とは?なぜ物を持ったりタオルを絞ったりすると痛むのか
- 5. 当院の検査で気になったのは「肘だけ」ではありませんでした
- 6. 痛い場所と原因となっている場所は必ずしも同じとは限りません
- 7. 坂元台整骨院で行ったテニス肘への施術
- 8. 約2か月・6回の施術で肘の痛みが大幅に改善
- 9. Aさんにお伝えしたデスクワークで肘に負担をかけないために気をつけたいこと
- 9.1. 30分程度を目安に一度立ち上がる
- 9.2. キーボードやマウスを身体から離しすぎない
- 9.3. 痛みを我慢して同じ動作を繰り返さない
- 10. まとめ|テニス肘がなかなか改善しないときは身体全体を見ることも大切です
- 11. テニス肘・肘の痛みについてよくある質問
- 11.1. Q1. テニスをしていなくてもテニス肘になりますか?
- 11.2. Q2. テニス肘がなかなか治らないのはなぜですか?
- 11.3. Q3. デスクワークでも肘が痛くなることはありますか?
- 11.4. Q4. 肘が痛いのに首や腰を確認するのはなぜですか?
- 11.5. Q5. テニス肘はどのくらいで改善しますか?
この記事を書いた人

坂元台整骨院(鹿児島県鹿児島市)院長 児玉 寛武
カイロプラクティック・遠絡療法(東洋医学的アプローチ)を用いて、体の不調の「本当の原因」を全身から見極める施術を行っています。鹿児島市を中心に、地域の皆さまの健康をサポートしています。
半年間テニス肘の痛みに悩んでいた40代女性
今回ご紹介するAさんは、デスクワークをされている40代女性です。
肘に痛みを感じ始めたのは、当院へ来られる半年ほど前でした。
最初は軽い痛みだったため、「そのうち良くなるだろう」と思っていたそうです。
ところが、時間が経っても良くならず、むしろ少しずつ痛みが強くなっていきました。
やがて仕事でパソコンのキーボードを打つだけでも肘が痛むようになりました。
さらに自宅でも、「タオルを絞る」「包丁を使う」「フライパンを持つ」など家事で手や腕を使うといった日常的な動作でも痛みを感じるようになり、仕事だけでなく家事にも支障が出始めました。

毎日当たり前にしていたことが痛みのために思うようにできなくなるのは、とてもつらいことだと思います。
湿布やサポーター、肘のマッサージを続けても変化がありませんでした
心配になったAさんは、まず整形外科を受診しました。

そこで湿布を処方してもらい、テニス肘用のサポーターも使用していました。
その後、保険の使える整骨院にも通い、肘周辺のマッサージや電気治療なども続けたそうです。
しかし、なかなか思うような変化がありません。
半年近く肘の痛みが続き、仕事や家事にも支障が出ていたことから、「何とか良くしたい」と知人の紹介で坂元台整骨院へ来院されました。
思うように身体が楽にならない状態が続くと、気持ちの面でもお辛くなってしまいますよね。
テニス肘とは?なぜ物を持ったりタオルを絞ったりすると痛むのか
一般的に「テニス肘」と呼ばれているものは、上腕骨外側上顆炎と呼ばれる状態です。
肘の外側には、手首や指を動かす筋肉につながる腱が付着しています。
手首を繰り返し使ったり、物を持ったりすることで、この部分へ負担がかかり、肘の外側に痛みを感じることがあります。

名前に「テニス」と付いていますが、テニスをしている人だけに起こるわけではありません。
仕事や家事などで腕や手首を繰り返し使う方にもみられます。
Aさんもテニスをしていたわけではなく、長時間のパソコン作業や毎日の家事を続けていました。
当院の検査で気になったのは「肘だけ」ではありませんでした
Aさんの場合、すでに肘周辺へのさまざまなケアを受けていました。
それでも症状が続いていたため、当院では肘だけに絞らず、身体全体の状態を確認しました。
そこで特に気になったのが、体幹の動きと身体全体の連動性です。
なかでも、頸椎(首の骨)の動き・腰椎(腰の骨)に問題がみられました。

さらに肘関節そのものにも、動きのバランスが崩れている部分が確認できました。
Aさんは毎日、長時間のデスクワークをしています。
パソコンへ向かった姿勢を長時間続ければ、腕や肘だけでなく、首や腰にも負担がかかります。
今回のAさんについては、首や腰の関節の動きが悪いことから体幹の動き・連動性が十分に使えていなかったことで、身体全体で分散されるはずの負担が肘へ集中していた可能性があると考えました。
痛い場所と原因となっている場所は必ずしも同じとは限りません
肘が痛ければ、どうしても「肘に原因がある」と考えたくなると思います。
もちろん、肘そのものの状態を確認することは大切です。
しかし身体は、それぞれの関節が完全に独立して動いているわけではありません。
例えばフライパンを持ち上げるときも、手首と肘だけを使っているわけではなく、肩や肩甲骨、体幹などが連動して一つの動作を行っています。
そのため坂元台整骨院では、「どこが痛いのか」だけではなく、「なぜそこへ負担が集中しているのか」という視点も大切にしています。
すべてのテニス肘に首や腰が関係しているわけではありませんが、肘への施術を続けても症状が変わらない場合には、身体全体の動きや普段の身体の使い方まで確認することが必要なケースもあります。
坂元台整骨院で行ったテニス肘への施術
Aさんには、検査で問題がみられた部分を中心に施術を行いました。
今回調整した主な場所は、頸椎(首)・腰椎(腰)・肘関節です。
当院では、痛みがあるからといって、その場所を必要以上に揉んだり刺激したりするのではなく、検査によって問題が確認できたところへ、お身体への負担の少ないカイロプラクティックという手技などを使って必要な施術を行うことを大切にしています。
Aさんの場合も、肘だけを施術するのではなく、身体全体の動きや連動性を考えながら調整を進めていきました。
約2か月・6回の施術で肘の痛みが大幅に改善
施術を重ねるにつれて、Aさんの肘の状態にも少しずつ変化がみられるようになりました。
最終的には、約2か月・6回の施術で肘の痛みは大幅に改善しました。
以前は痛みが出ていたパソコンのタイピングも楽にできるようになり、自宅でもタオルを絞ったり、包丁やフライパンを使ったりといった家事が以前のようにできるようになりました。

「仕事も家事も普通にできるようになった」と喜ばれていた姿が印象に残っています。
肘の痛みそのものが楽になることはもちろん大切です。
しかし患者さんにとって本当に大切なのは、その先にある仕事や家事、毎日の生活を不安なく送れることなのだと思います。
※施術の結果や改善までの期間には個人差があります。
Aさんにお伝えしたデスクワークで肘に負担をかけないために気をつけたいこと
Aさんは施術だけを受けて改善していったわけではありません。
施術をいくら頑張っても症状の原因となっていることを続けていたら、また元に戻ってしまいますよね。
虫歯の治療をしても、毎日歯磨きしていなかったらまた虫歯になってしまうのと同じことです。
普段気をつけておくべきことをお伝えして、実践していただきました。
Aさんのように長時間パソコンを使う方は、同じ姿勢を続けないことも大切です。
30分程度を目安に一度立ち上がる
長時間座り続けるのではなく、一度立ち上がって首や肩、背中などを軽く動かしましょう。
キーボードやマウスを身体から離しすぎない
腕を前へ伸ばした状態が続くと負担が大きくなります。
無理なく肘を曲げられる位置にキーボードやマウスを置いてみましょう。
痛みを我慢して同じ動作を繰り返さない
仕事や家事で痛みが強くなる場合は、適度に休憩を入れたり、作業方法を変えたりして肘への負担を減らすことも大切です。
まとめ|テニス肘がなかなか改善しないときは身体全体を見ることも大切です

今回は、半年間続く肘の痛みに悩んでいた40代女性Aさんの症例をご紹介しました。
Aさんは整形外科での湿布やサポーター、整骨院での肘周辺のマッサージや電気治療などを続けていましたが、なかなか症状が変わらない状態でした。
当院で身体全体を確認すると、肘だけでなく首や腰の動き、身体全体の連動性にも気になるところがみられました。
そこで首・腰・肘関節を中心に調整した結果、約2か月・6回で症状は大幅に改善し、仕事や家事も以前のように行えるようになりました。
肘が痛いからといって、必ずしも肘だけに問題があるとは限りません。
「なぜ肘に負担が集中しているのか」という視点から身体全体を確認することで、今まで気づかなかった問題が見えてくる場合があります。
※本記事は一症例をご紹介したものであり、すべての方に同様の経過や結果を保証するものではありません。
テニス肘・肘の痛みについてよくある質問

Q1. テニスをしていなくてもテニス肘になりますか?
はい。テニス肘は「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれ、テニスをしている方だけに起こるものではありません。
手首や指を繰り返し使う仕事や家事などでも、肘の外側に負担がかかり、痛みが出ることがあります。タオルを絞る、フライパンを持つ、物を持ち上げるといった動作で痛みを感じる方もいます。
Q2. テニス肘がなかなか治らないのはなぜですか?
肘への負担が日常的に繰り返されていると、安静や湿布などだけでは症状が長引くことがあります。
また、痛みの状態や背景は一人ひとり異なります。今回のAさんのように、肘だけでなく身体全体の動きや普段の身体の使い方まで確認することが必要なケースもあります。
Q3. デスクワークでも肘が痛くなることはありますか?
長時間のパソコン作業では、キーボードやマウスを繰り返し操作するため、腕や手首、肘に負担がかかることがあります。
また、同じ姿勢を長時間続けることで首や肩、背中なども動きにくくなります。30分程度を目安に一度立ち上がり、姿勢をリセットすることもおすすめです。
Q4. 肘が痛いのに首や腰を確認するのはなぜですか?
身体は肘だけが単独で動いているわけではなく、肩や肩甲骨、体幹などさまざまな部分が連動して動いています。
そのため坂元台整骨院では、肘の状態を確認することはもちろん、必要に応じて首や背骨、身体全体の動きも確認します。
ただし、すべてのテニス肘に首や腰が関係しているという意味ではありません。その方の状態を検査したうえで判断することが大切だと考えています。
Q5. テニス肘はどのくらいで改善しますか?
症状の程度や発症してからの期間、仕事・家事での肘の使い方などによって異なるため、一概にはいえません。
今回ご紹介したAさんは、約2か月・6回の施術で症状が大幅に改善しましたが、これはあくまで一症例です。すべての方が同じ期間や回数で改善するわけではありません。
参考文献
- Lucado AM, et al. Lateral Elbow Pain and Muscle Function Impairments: Clinical Practice Guidelines. J Orthop Sports Phys Ther. 2022;52(12):CPG1-CPG111.
- Karbowiak M, et al. Management of lateral epicondylitis (tennis elbow). BMJ. 2023;381:e072574.
- Bretschneider SF, et al. Work-relatedness of lateral epicondylitis: Systematic review including meta-analysis and GRADE. Am J Ind Med. 2022;65(1):41-50.
- Descatha A, et al. Lateral Epicondylitis and Physical Exposure at Work? A Review of Prospective Studies and Meta-Analysis. Arthritis Care Res. 2016;68(11):1681-1687.
(監修 柔道整復師 児玉寛武)


