今回のブログでわかること(要約)

「重い荷物を持ち上げた瞬間、腰に激痛が走った」「歩くだけでも腰が痛くて仕事ができない」とお悩みではありませんか?

今回ご紹介するのは、宅配関係のお仕事をされている40代男性Hさんのギックリ腰の症例です。

Hさんは荷物を持ち上げようと踏ん張った瞬間に腰へ激しい痛みが走り、翌日には歩くこともつらい状態で来院されました。

お話をうかがうと、発症する2日ほど前から腰に違和感があり、日頃から荷物の持ち運びや長時間の運転など、腰へ負担がかかりやすい生活が続いていました。

身体の状態を確認しながら施術を行い、荷物の持ち方や運転中の姿勢にも気をつけていただいた結果、施術期間3日・3回で腰の痛みは大幅に改善し、普段どおり仕事ができるようになりました。

この記事では、Hさんの改善経過とともに、ギックリ腰が起こる仕組みや、腰への負担を減らす荷物の持ち方についても、わかりやすくご紹介します。

※施術による変化や改善までの期間には個人差があります。

この記事を書いた人

坂元台整骨院(鹿児島県鹿児島市)院長 児玉 寛武

カイロプラクティック・遠絡療法(東洋医学的アプローチ)を用いて、体の不調の「本当の原因」を全身から見極める施術を行っています。鹿児島市を中心に、地域の皆さまの健康をサポートしています。

荷物を持ち上げようと踏ん張った瞬間にギックリ腰になってしまったHさんが来院に至るまでの経緯

こんにちは、鹿児島市玉里団地で坂元台整骨院を開業しております、院長の児玉です。

今回ご紹介するHさんは、宅配関係のお仕事をされている40代男性です。

Hさんは宅配関係のお仕事をされており、日々多くの荷物をお客さんのところへお届けしていたそうです。

ギックリ腰になる2日ほど前から、腰になんとなく違和感があったそうですが、仕事自体には支障がなかったので仕事を継続していたとのこと。

その後、荷物をいつものように配達するために持ち上げようと踏ん張った瞬間に激痛が走ったそうです。

その日はなんとか痛みを必死にこらえながら仕事はやり終えたそうですが、歩くときの激痛で翌日は仕事ができそうな状態ではなかったため当院に来院することになりました。

突然の強い痛みで、さぞおつらかったことと思います。

私の見立て|Hさんのギックリ腰の原因について

ギックリ腰の場合はその痛みを一刻も早く良くしたいと思いますし、座って長い時間お話をするのも大変です。

慢性的な痛みの時のようにじっくりお話を聞きたいですが、ギックリ腰の施術に必要な必要最小限の聞き取りと検査でHさんのお身体を診させていただきました。

今回のHさんは骨盤の仙骨という骨のゆがみが顕著に診られました。

おそらく、日々の宅配業務での荷物の持ち運びで負荷がかかっていたことや、運転の時間も長いために骨盤の仙骨という部分に大きな負荷がかかっていたと思われます。

ぎっくり腰は、重いものを持った瞬間などに突然起こることがあります。

そのため、「その動作だけが原因で腰を痛めた」と思われがちですが、実際にはそれ以前から腰まわりに負担が積み重なっている場合があります。

たとえば、コップに少しずつ水がたまっていく状態を想像してみてください。

長時間の同じ姿勢や中腰、運動不足、疲労などによって、腰の筋肉や関節などへの負担が少しずつ積み重なります。

そして、コップの水がいっぱいになったところへ、「床の物を取る」「靴下を履く」「身体をひねる」「重い物を持つ」といった何気ない動作が加わることで、痛みが一気に表面に出ることがあります。

つまり、最後の動作は「原因」というより、きっかけの一つになっている場合もあるということです。

今回のHさんの場合もギックリ腰になった瞬間の持ち上げ動作が原因というよりは、日頃の荷物の持ち上げ動作や運転中の姿勢などが原因で腰に継続的に負荷がかかっていたものと推察しました。

今回のHさんは仙骨が後方に倒れるかたち(専門用語でベースポステリア)に変異しておりましたので、普段から運転中も猫背になっていたのではないかと思われます。

毎日忙しく仕事に追われていると、こうなってしまうのも無理もないことです。

施術の経過|Hさんの改善に至るまで

Hさんへの施術はお身体に負担の少ないかたちでカイロプラクティックという手技を仙骨に行いました。

その後、しばらくおいてから歩いていただくと、痛みが軽減して歩きやすいとのこと。

もう1箇所検査で反応のあった首の調整もして、テーピングでかるく補強をしてその日の施術は終了としました。

翌日からもうお仕事があるとのことでしたので、コルセットを寝るとき以外はつけていただくようにお伝えしました。

翌日来院していただいたら、昨日よりもだいぶ腰がラクで歩きやすいとのことで、仕事もなんとか無事にできたそうです。

3回目の来院ではほとんど腰の痛みは気にならないとのことで、施術期間3日・施術回数3回で大幅に改善した症例になります。

Hさんが「仕事が普通にできるようになってうれしいです」と笑顔で報告してくださるお姿を見て、私もうれしい気持ちになりました。

Hさんがギックリ腰の負担を減らすために取り組んだこと

重い荷物を持ち上げるときは、「荷物をできるだけ身体の近くで持つ」ことが大切です。

荷物を身体から離して持つほど、てこの原理によって腰にかかる負担は大きくなります。たとえば、同じ重さの荷物でも、胸の近くで抱えるのと、腕を伸ばして持つのとでは、腰への負担が変わります。

床にある荷物を持ち上げるときは、腰だけを曲げて持ち上げるのではなく、荷物の近くまで寄り、膝や股関節を曲げて身体を低くします。 そこから荷物を身体に近づけたまま、脚の力も使って立ち上がりましょう。

また、荷物を持ったまま腰だけをひねる動きも負担になりやすいため、方向を変えるときは腰だけではなく、足ごと向きを変えるのがポイントです。

Hさんにはお仕事の時はこのようなことに注意していただきながら宅配していただきました。

また運転中は深く腰かけて、猫背にならないように注意していただきました。

まとめ|ギックリ腰は痛めた瞬間だけでなく、それまでの身体への負担にも目を向けることが大切です

今回ご紹介したHさんは、荷物を持ち上げようと踏ん張った瞬間に強い腰の痛みが起こり、歩くこともつらい状態で来院されました。

しかし、お話を聞いていくと、ギックリ腰になる2日ほど前から腰に違和感があり、さらに普段から荷物の持ち運びや長時間の運転など、腰へ負担がかかりやすい生活が続いていました。

身体の状態を確認しながら必要な施術を行い、仕事中の荷物の持ち方や運転姿勢にも気をつけていただいた結果、施術期間3日・3回で腰の痛みは大幅に改善し、普段どおり仕事ができるようになりました。

ぎっくり腰は、重いものを持った「その瞬間」だけが原因とは限りません。それまでに積み重なっていた身体への負担に、最後の動作がきっかけとして加わる場合もあります。

そのため、痛みを落ち着かせるだけでなく、「なぜ腰に負担が集中していたのか?」を振り返り、普段の身体の使い方を見直すことも大切です。

Hさんのように荷物を持つことや運転が多い方は、荷物を身体の近くで持つ、膝や股関節を使って持ち上げる、運転中の姿勢に気をつけるなど、できることから取り入れてみてください。

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ギックリ腰についての詳しい症例別ページはこちらから

※施術による変化や改善までの期間には個人差があります。

参考文献

・日本整形外科学会・日本腰痛学会 監修.腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版.南江堂,2019.

・Qaseem A, et al. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain. Ann Intern Med. 2017;166(7):514-530.

・Steffens D, et al. Prevention of Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Intern Med. 2016;176(2):199-208.

・Coenen P, et al. The effect of lifting during work on low back pain. Occup Environ Med. 2014;71(12):871-877.