今回のブログでわかること(要約)

「パソコンやスマホを見ていると肩こりがひどくなる」「目の奥が重くなり、肩こりだけでなく頭痛までしてくる」とお悩みではありませんか。

眼精疲労による肩こりは、目だけの問題ではなく、姿勢のくずれや首・肩への負担、自律神経の働きなどが関係していることがあります。

今回は、デスクワーク中心のお仕事をされている50代女性が、眼精疲労と肩こりでお悩みになり、2か月・7回の施術で改善した症例をご紹介します。

肩こりが起こった原因や改善につながったポイントについても、できるだけわかりやすくお伝えします。

デスクワークによる眼精疲労と肩こりでお悩みだった50代女性の症例

今回ご紹介するのは、デスクワークをされている50代女性のHさんです。

毎日仕事でパソコンを使い、自宅でもスマートフォンを見る時間が長くなっていました。

最初は「夕方になると目が疲れるな」と感じる程度でしたが、次第に肩こりまで強くなり、仕事へ集中することも大変になってきたそうです。

仕事が終わるころには目の奥が重く感じられ、肩もガチガチに固まり、「早く家に帰って横になりたい」と思う日が続いていました。

肩をもんでもその場では少し楽になります。

しかし翌日になると、また同じようにつらくなることの繰り返しでした。

「年齢のせいなのかな」

「仕事だから仕方ない」

そんなふうに思いながら過ごされていましたが、改善する気配はありませんでした。

心配したご友人から当院をご紹介いただき、ご来院くださいました。

検査でわかったのは、目だけではなく身体全体のバランスの問題でした

Hさんのお身体を詳しく検査すると、肩だけが原因ではありませんでした。

長時間パソコンへ集中することで頭が前へ出る姿勢になり、首から肩、背中まで常に緊張した状態が続いていました。

さらに肩甲骨の動きも小さくなり、背骨全体の動きも硬くなっていました。

人の頭は約5〜6kgあると言われています。

ちょうどボウリングの球ほどの重さがあります。

ボウリングの球を身体の近くで持つと、それほど重さは感じません。

しかし腕を伸ばして前へ持ち続けると、急に重たく感じます。

頭も同じです。

頭が少し前へ出るだけでも、首や肩は何倍もの負担を支え続けることになります。

さらに目を使い続けると、ピントを合わせる筋肉も休む時間がありません。

カメラも長時間ピントを合わせ続けると熱を持つように、人の目も使い続ければ疲れてしまいます。

目の疲れと首・肩への負担が毎日積み重なった結果、肩こりが慢性化していたと考えられました。

Hさんも一生懸命お仕事を頑張ってこられたからこそ、このような状態になってしまったのだと思います。

眼精疲労で肩こりや頭痛が起こる原因とは?

「目が疲れるだけなのに、どうして肩までこるのだろう?」

そのように疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

実は、目と首・肩は別々に働いているように見えて、お互いに深く関係しています。

眼精疲労による肩こりは、一つだけの原因ではありません。

いくつかの負担が少しずつ積み重なり、身体が悲鳴を上げている状態です。

ここでは、当院でもよく見られる3つの原因についてご紹介します。

① 目を使い続けることで首や肩の筋肉まで緊張するため

パソコンやスマートフォンを見ているとき、目はずっとピントを合わせ続けています。

近くを見る作業では、目のまわりの筋肉が休むことなく働いています。

さらに、その働きを助ける神経も緊張した状態が続きます。

すると、その緊張は目だけではなく、首や肩の筋肉にも伝わってしまいます。

たとえるなら、アクセルを踏み続けたまま車を走らせているような状態です。

少し休ませればエンジンも落ち着きますが、走り続ければ熱を持ち、負担が大きくなります。

人の身体も同じです。

目を休ませる時間が少ないと、首や肩も休めなくなり、肩こりが起こりやすくなります。

② 血のめぐりが悪くなり、疲れがたまりやすくなるため

筋肉が緊張すると、血のめぐりも悪くなります。

血液は身体のすみずみに酸素や栄養を届けるだけではありません。

疲れの原因となる老廃物を回収する、大切な役割も担っています。

よく私は患者さんへ、「血管は水道のホースのようなものですよ」とお話ししています。

ホースを踏んでしまうと、水は流れにくくなります。

身体の中でも同じように、筋肉が硬くなることで血管が圧迫されると、血液が流れにくくなってしまいます。

すると、新しい酸素や栄養が届きにくくなり、疲れも残りやすくなります。

その結果、「肩が重い」「首が張る」「頭が重たい」「目の奥が痛い」といった症状につながることがあります。

③ 前かがみの姿勢が肩への負担を大きくしてしまうため

眼精疲労がある方の多くは、姿勢にも共通した特徴があります。

パソコンをのぞき込むように顔が前へ出たり、スマートフォンを見るために猫背になったりする姿勢です。

この姿勢が長く続くと、首や肩は重たい頭を支え続けなければなりません。

頭の重さは約5〜6kgあります。

ボウリングの球ほどある重さを、首と肩だけで何時間も支えていると考えると、その負担は想像しやすいのではないでしょうか。

さらに、目が疲れると画面へ顔を近づける方も少なくありません。

すると頭はさらに前へ出てしまい、首や肩への負担も大きくなります。

Hさんも検査では、この前かがみの姿勢が強く見られました。

毎日のデスクワークによって少しずつ身体へ負担が積み重なり、眼精疲労と肩こりが悪循環を繰り返していたと考えられます。

しかし、このような状態になってしまうのは、決してHさんだけではありません。

毎日一生懸命お仕事を頑張っている方ほど、同じようなお悩みを抱えていることがとても多いのです。

改善のポイントは肩だけではなく、身体全体を整えたことでした

Hさんは、「肩がこるから肩だけを何とかしてほしい」と思われていました。

しかし、検査で確認すると、原因は肩だけではありませんでした。

首や肩だけでなく、背骨や肩甲骨の動き、さらに身体全体のバランスにも負担が積み重なっていました。

そこで当院では、検査で問題が見つかった部分を中心に、ソフトな整体(カイロプラクティック)で身体全体をやさしく調整していきました。

強く押したり、無理に骨を動かしたりする施術ではありません。

身体へできるだけ負担をかけない方法で、本来の動きを取り戻せるよう施術を進めました。

施術を続けるうちに、

「夕方になっても肩が以前ほどつらくない。」

「仕事が終わっても目の疲れが残りにくくなった。」

という変化を感じられるようになりました。

そして、2か月・7回の施術で、肩こりや眼精疲労は大きく改善しました。

現在は、お仕事でパソコンを使う環境は変わっていませんが、月1回のメンテナンスを続けることで、良い状態を維持されています。

改善できた理由は、施術だけではありませんでした

Hさんが順調に改善された理由は、施術だけではありません。

日常生活の中で、目や身体への負担を減らす工夫を続けていただいたことも、大きな要因だったと考えています。

例えば、

  • 1時間に1回は画面から目を離して遠くを見る
  • 深呼吸をして身体の力を抜く
  • スマートフォンを見る時間を少し減らす
  • 椅子へ深く腰掛けて姿勢を意識する

このような小さな積み重ねを続けていただきました。

身体は毎日の生活習慣によって少しずつ変化します。

たとえるなら、車のタイヤの向きが少しずれているまま走り続けると、タイヤは片側だけがすり減ってしまいます。

身体も同じです。

姿勢や身体の使い方に少しずつ負担が積み重なることで、肩こりや眼精疲労が起こりやすくなります。

反対に、毎日の身体の使い方を少し見直すだけでも、身体への負担は大きく減らすことができます。

眼精疲労による肩こりでお悩みの方へ

眼精疲労による肩こりは、目だけを休ませれば改善するとは限りません。

姿勢や身体全体のバランス、毎日の生活習慣が関係していることも少なくありません。

湿布や痛み止め、マッサージで一時的に楽になっても、すぐ元に戻ってしまう場合は、肩以外の場所に原因が隠れていることもあります。

当院では、痛みや肩こりが出ている場所だけを見るのではなく、身体全体を検査し、「なぜその症状が起きたのか」を大切に考えながら施術を行っています。

もし、

  • パソコン作業をすると肩がつらい
  • スマートフォンを見ていると目の奥が重くなる
  • 肩こりと一緒に頭痛まで起こる
  • マッサージを受けてもすぐ元に戻る

このようなお悩みがありましたら、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

毎日頑張っている身体だからこそ、少しでも楽な状態で仕事や趣味、ご家族との時間を過ごせるよう、お手伝いできれば幸いです。

ご相談・ご予約はこちらから

肩こりの治療に関する症状別ページはこちらからご覧になれます

よくある質問(FAQ)

Q1. 眼精疲労と目の疲れは何が違うのですか?

A. 一般的な目の疲れは、休憩や睡眠をとることで回復することが多いです。一方、眼精疲労は十分に休んでも改善しにくく、肩こりや頭痛、首の痛み、目の奥の痛みなど全身の不調を伴うことがあります。


Q2. パソコンやスマホを使う仕事でも肩こりは改善できますか?

A. はい、改善を目指すことは十分可能です。

仕事を辞めたり、パソコンやスマートフォンを使わなくしたりすることは現実的ではありません。

そのため、身体全体のバランスを整えながら、姿勢や作業環境、休憩の取り方などを少しずつ見直していくことが大切です。


Q3. 眼精疲労による肩こりはマッサージだけで改善しますか?

A. マッサージで一時的に楽になることはあります。

しかし、姿勢や身体の使い方、身体全体のバランスに原因がある場合は、時間が経つと元に戻ってしまうことも少なくありません。

原因に合わせた施術や生活習慣の見直しを行うことで、再発しにくい身体づくりにつながります。

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Q4. 肩こりと一緒に頭痛がある場合は受診した方がいいですか?

A. 強い頭痛や吐き気、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状がある場合は、肩こりだけが原因とは限りません。

そのような場合は、まず医療機関を受診することをおすすめします。

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参考文献

  1. 厚生労働省「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
     https://www.mhlw.go.jp/content/000539604.pdf
  2. 日本眼科学会「眼精疲労」
     https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.jsp?disease=ganseihirou
  3. 日本整形外科学会「肩こり」
     https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/stiff_shoulder.html
  4. Rosenfield M.
    Computer Vision Syndrome: A Review of Ocular Causes and Potential Treatments.
    Ophthalmic and Physiological Optics. 2011.
     https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21480937/
  5. Shariat A, Cleland JA, Danaee M, et al.
    Effects of stretching exercise training and ergonomic modifications on musculoskeletal discomforts of office workers.
    Brazilian Journal of Physical Therapy. 2018.
     https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28688597/

(監修 柔道整復師 児玉寛武)