
今回のブログでわかること(要約)
内側の野球肘は、成長期のピッチャーに多く見られるスポーツ障害です。病院で「2か月は安静」と診断されることもありますが、肘だけでなく身体全体の状態を見直すことで、よりスムーズな競技復帰につながる場合があります。
今回は、15歳のエースピッチャーの症例をご紹介します。整形外科で中等症の内側の野球肘と診断され、2か月間の投球禁止を指示されましたが、大会を控え「できるだけ早く復帰したい」と紹介で坂元台整骨院へ来院されました。
検査では、長年の右投げ・右打ちによる身体のバランスの偏りや股関節の柔軟性低下が見られ、これらが肘への負担を大きくしていると考えられました。身体全体のバランスを整える施術と微弱電流治療、さらに練習内容の工夫を行った結果、約1か月・5回の施術で練習へ復帰し、その後の大会では見事に完投勝利を収めることができました。
- 1. 今回のブログでわかること(要約)
- 2. 野球肘(内側)とは?成長期のピッチャーに多い理由
- 3. 「2か月は安静」と診断された15歳エースピッチャー
- 4. なぜ内側の野球肘が起こったのか?原因は肘だけではありませんでした
- 5. 野球肘(内側)に対して当院で行った施術
- 6. 約1か月・5回で練習へ復帰
- 7. 私自身も少年野球で内側の野球肘を経験しました
- 8. 鹿児島市で内側の野球肘にお悩みの方へ
- 9. よくある質問(FAQ)
- 9.1. Q1. 内側の野球肘は安静にしていれば治りますか?
- 9.2. Q2. 野球肘はどれくらい安静にすればよいのでしょうか?
- 9.3. Q3. 野球肘になったらストレッチをしても大丈夫ですか?
- 9.4. Q4. 痛みがなくなったらすぐに全力で投げても大丈夫ですか?
- 9.5. Q5. 野球肘は再発することがありますか?
- 10. 参考文献
野球肘(内側)とは?成長期のピッチャーに多い理由
野球肘とは、ボールを繰り返し投げることで肘へ負担が蓄積し、痛みが生じるスポーツ障害です。特に成長期は骨や軟骨がまだ発達途中であるため、大人よりも肘への負担を受けやすい特徴があります。
なかでも内側の野球肘は、ボールを投げる瞬間に肘の内側へ強い力が繰り返しかかることで起こります。
最初は「少し痛いけど投げられる」という程度でも、我慢を続けることで症状が悪化し、思うように投球できなくなることも少なくありません。
「2か月は安静」と診断された15歳エースピッチャー
今回来院されたのは15歳のエースピッチャーです。
数週間前から投球時に肘の内側へ痛みを感じ始めましたが、「試合に出たい」「チームに迷惑をかけたくない」という思いから我慢して投げ続けていました。
しかし徐々に痛みは強くなり、全力で投げることが難しくなったため整形外科を受診。
そこで中等症の内側の野球肘と診断され、「2か月は投球を中止してください」と説明を受けました。

大会も控えていたため、ご本人もご家族も大きな不安を抱えておられ、できるだけ早く復帰したいとのことで紹介を受け、当院へ来院されました。
とても不安な気持ちでつらかったことでしょう。
なぜ内側の野球肘が起こったのか?原因は肘だけではありませんでした

当院では、痛い場所だけを見るのではなく、身体全体の動きを確認します。
検査を行うと、長年右投げ・右打ちを続けてきた影響で身体の左右のバランスに偏りがあり、骨盤を中心とした身体のゆがみが見られました。
さらに、股関節の柔軟性も低下していました。
野球の投球動作は、下半身で生み出した力を体幹、肩、腕、そして指先へとバトンを渡すように連動させることで成り立っています。
しかし、どこか一か所の動きが悪くなると、バトンがスムーズにつながらず、その不足分を肘が頑張って補おうとします。
例えるなら、複数人で重たい荷物を運ぶはずが、一人だけで持ち上げているような状態です。
その結果、肘へ過剰な負担が集中し、内側の野球肘を引き起こしていたものと考えられました。
野球肘(内側)に対して当院で行った施術

まず、炎症をできるだけ早く落ち着かせるため、患部には海外製の微弱電流治療器を使用しました。
微弱電流は刺激がほとんどなく、傷ついた組織の回復をサポートすることを目的として使用しています。
さらに、身体全体のバランスを整えるソフトなカイロプラクティック(カイロプラクティックについての詳しい内容はこちらからご覧になれます)を行い、骨盤や股関節の動きを改善しました。
特に股関節の柔軟性を高める施術を重点的に行い、下半身から上半身へ力がスムーズに伝わる身体づくりを目指しました。
また、施術だけに頼るのではなく、治療期間中の約1か月は投球を中止し、その代わりに走り込みや下半身の筋力トレーニング、股関節や体幹の柔軟性を高めるストレッチなど、肘へ負担をかけない練習メニューを行うよう指導しました。

約1か月・5回で練習へ復帰
施術を重ねるごとに肘の痛みは軽減し、身体全体の動きも改善していきました。
約1か月・5回の施術で投球練習へ復帰。
復帰後はいきなり全力投球をするのではなく、かるいキャッチボールからはじめて、徐々に投球数や強度を増やしながら身体を慣らしていきました。
さらに、身体の左右バランスを整える目的で、軽い左投げ・左打ちの練習も取り入れていただきました。
これは利き手を変えるためではなく、普段とは反対側の身体も使うことで左右差を少なくし、身体全体の連動性を高めることを目的としています。
その後、大会では見事に完投勝利を収めたとの嬉しい報告をいただきました。
報告をいただいた時はとても嬉しい気持ちになりました。

私自身も少年野球で内側の野球肘を経験しました

実は私も少年野球ではピッチャーを務めており、中学生の頃に内側の野球肘になった経験があります。
当時は「このまま投げられなくなったらどうしよう」「チームに迷惑をかけてしまう」と、とても不安でした。
しかし、父の施術を受けながら身体の状態を整え、早期に復帰することができました。
だからこそ、今回の患者様が抱えていた焦りや不安は、自分自身の経験としてよく理解できます。
痛みだけを見るのではなく、その選手がどんな思いで野球を続けているのか。その気持ちにも寄り添いながら、一日でも早く安心してマウンドへ戻れるようサポートしたいと考えています。
(院長の野球少年時代のエピソードは院長のバックストーリー3よりご覧になれます)
鹿児島市で内側の野球肘にお悩みの方へ
野球肘は、肘だけを休ませれば必ず解決するとは限りません。
身体全体のバランスや柔軟性、投球動作を見直すことで、肘への負担を減らし、競技復帰につながるケースもあります。
坂元台整骨院では、一人ひとりの身体の状態を丁寧に検査し、身体全体のバランスを整えながら、競技復帰までしっかりサポートしています。
鹿児島市で内側の野球肘にお悩みの方、できるだけ早く野球へ復帰したいとお考えの方は、お気軽に坂元台整骨院までご相談ください。
よくある質問(FAQ)

Q1. 内側の野球肘は安静にしていれば治りますか?
軽症の場合は安静によって痛みが改善することもあります。しかし、痛みの原因となった身体の使い方(投球フォーム)や柔軟性の低下が改善されていなければ、投球を再開した際に再発してしまうことも少なくありません。
当院では、肘だけでなく身体全体のバランスや股関節・体幹の動きまで確認し、再発しにくい身体づくりを目指しています。
Q2. 野球肘はどれくらい安静にすればよいのでしょうか?
必要な安静期間は、症状の程度や画像検査の結果によって異なります。
無理に投球を続けると症状が悪化し、回復までさらに時間がかかることもあります。
投球を休んでいる期間は、ランニングや下半身の筋力トレーニング、体幹トレーニング、股関節の柔軟性を高めるストレッチなど、肘へ負担をかけない練習を行うことが大切です。
Q3. 野球肘になったらストレッチをしても大丈夫ですか?
痛みのある肘へ無理なストレッチを行うことはおすすめできません。
一方で、股関節や太もも、お尻、体幹など、投球動作に関わる部分の柔軟性を高めることは、身体全体の連動性を改善し、肘への負担を減らすことにつながります。
ご自身の状態に合ったストレッチを行うことが大切です。
Q4. 痛みがなくなったらすぐに全力で投げても大丈夫ですか?
痛みがなくなっても、すぐに全力投球へ戻ることはおすすめできません。
まずはかるめのキャッチボールから始め、投球数や球速を徐々に増やしながら身体を慣らしていくことが重要です。
焦って復帰すると再発する可能性もあるため、段階的な復帰を心掛けましょう。
Q5. 野球肘は再発することがありますか?
はい、再発する可能性があります。
特に、身体のバランスや投球フォーム、股関節の柔軟性などが改善されないまま復帰すると、再び肘へ負担が集中しやすくなります。
当院では施術だけでなく、再発予防のための身体の使い方やセルフケア、練習方法についてもアドバイスしています。
参考文献
1.American Academy of Orthopaedic Surgeons (AAOS)
Elbow Injuries in the Throwing Athlete
https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases--conditions/elbow-injuries-in-the-throwing-athlete/
2.American Academy of Pediatrics
Medical Conditions Affecting Sports Participation
Pediatrics.
3.Andrews JR, Fleisig GS, et al.
Prevention of Elbow Injuries in Youth Baseball Pitchers.
Sports Health.
4.Fleisig GS, Andrews JR, Cutter GR, et al.
Risk of Serious Injury for Young Baseball Pitchers.
American Journal of Sports Medicine. 2011.
5.日本整形外科学会
スポーツによる肘の障害(野球肘)
https://www.joa.or.jp/
6.日本臨床スポーツ医学会
野球肘・スポーツ障害に関する診療・研究資料
(監修 柔道整復師 児玉寛武)


