「毎年稲刈り作業の時は腰痛がひどくなる」


「コンバインの作業の後の腰痛がつらい」


このような腰痛でお悩みではありませんか?


この度のブログでは稲刈り作業での腰痛対策についてまとめました。


稲刈りでのコンバイン作業による腰痛の対策と予防法


こんにちは、鹿児島市玉里団地で坂元台整骨院を開業しております児玉寛武です。


鹿児島県では、暖かい気候を生かして7月中旬から収穫する「早期水稲」と10月上旬から収穫する「普通期水稲」があります。
今年も10月に入り「普通期水稲」の本格的な収穫が始まります。

毎年この時期になると、稲刈りで腰が痛くなってくる患者さんが来院されます。


問診で詳しくお話を伺うと、「刈り取った米や道具の持ち運びで腰が痛くなった」、「コンバインに乗って作業をした後は腰がきつい」などのお話をしてくださります。
とてもつらかったことと思います。


私の祖父も以前は農家でお米も作っておりました。この時期になると家族、親戚総出で稲刈りのお手伝いをしておりましたが、とても大変な作業だったと記憶しております。


コンバインに乗って作業するから楽で腰なんか痛めることないのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、実はコンバインでの作業と腰痛は密接な関係があります。


毎年、稲刈り作業後の腰痛にお悩みの方は、このブログの内容がお役に立てると考えています。


ぜひ最後までブログをお読みいただけますと幸いです。


なぜコンバイン作業で腰痛を引き起こしてしまうのか?




いくつか考えられる原因を挙げてみます。

長時間の座位作業


コンバインの運転は通常、何時間も座りっぱなしになることが多く、これが腰への負担を増大させます。特に、姿勢が悪いままの状態で運転し続けると腰の骨やその周辺の筋肉に過剰にストレスがかかります。
また、畔(あぜ)や狭い場所での操作時に前かがみや不自然な姿勢になることが多く、腰への負担が増加します。

機械の振動



コンバインはエンジンや地面の凹凸による継続的な振動が腰に伝わります。このような長時間にわたる微細振動や突発的な衝撃は腰への大きなダメージとなります。

乗降時の動作


コンバインへの乗り降りは意外と負担が大きく、足場が悪かったり急いでいたりすると、腰を痛める原因となります。


重作業との併用


コンバイン作業と並行して、米袋の持ち運びや機械のメンテナンスなどの重労働もあり、これが腰痛を悪化させる要因にもなります。


これらの複数の要因が重なり合ってつらい腰痛を引き起こしてしまうのです。


ではこのような厄介な原因に対してどのような対策をしていけばいいのでしょうか?
以下にまとめてみました。

コンバイン作業向けの腰痛対策と予防法


運転する時の姿勢改善


深くイスに腰掛けて背もたれを使い、骨盤を立てるように座ります。この時足はしっかりと床につけておきます。
普段の日常生活でもそうですが、コンバインでの運転時も姿勢は非常に重要です。

休息とストレッチ



1時間に一度は運転をやめて、立ち上がって伸びをします。
そうすることで継続的な腰への負荷を減らすことができ、偏りはじめた姿勢もリセットできます。

乗降時の注意


急な動きで乗降するのではなく、手すりを使いゆっくりと足元の安全を確保しながら乗降します。そうすることで乗降時の腰への負担を減らすことができます。

重作業との併用で重荷を持つ時は、姿勢と身体の使い方に注意する

重いものを持つ時は、姿勢と身体の使い方次第で予防が可能です。

姿勢と腰痛は日常生活のあらゆる場面で関係してきます。

こまめな水分補給


腰痛と水分補給には密接な関係があります。以下に、その理由とメカニズムを説明します。


1.椎間板(骨と骨の間にあるクッション)の構造と水分の関係

背骨の骨(椎骨)の間には、椎間板(ついかんばん)というものがあり、約80%以上が水分でできており、クッションのように衝撃を吸収する役目をしております。
ですので水分が不足すると椎間板が弾力を失い、クッション機能が低下して、腰に負担がかかりやすくなります。


2.筋肉と水分の関係


筋肉も水分を多く含んでおり、水分が不足すると筋肉が硬くなる傾向があります。脱水してしまうとよく体がつりやすくなるのはこのためです。
硬直した筋肉は血流が悪くなり、筋肉疲労や炎症が起きやすくなるため腰痛の原因となります。


3.血流の低下と老廃物の蓄積


水分が不足すると血流が悪化して老廃物が筋肉内に溜まりやすくなります。
これが神経を刺激して痛みや違和感を引き起こすことがあります。


稲刈り時期の鹿児島県は日中はまだまだ気温も高いです。喉が渇く前にこまめに少量ずつ飲むのが大事なポイントです。
15分に1回軽く口に水を含む程度を繰り返すのがおすすめです。


しっかり湯船で身体を温めて早めに就寝する

お風呂でしっかりと湯船に浸かって温めることにより血流が良くなります。
血流が良くなれば筋肉内に溜まった老廃物を流してくれ、筋肉や内臓、脳といった全身の組織に栄養と酸素を送り届けてくれます。
そして、早めに就寝して睡眠をしっかり取ることにより、身体のダメージが取れやすくなっていきます。


睡眠によって脳の疲労も回復します。そうすると、筋肉の緊張もとれやすくなるように人間の身体はできています。

脳は全身をくまなく調整する司令塔ですので、睡眠により脳の疲労をとることがとても大事になります。


稲刈り後の腰痛でお悩みでしたらご相談ください。

今回ご紹介した方法を実践していただくことで、稲刈り作業後の腰痛が解消される可能性があります。


しかし、実践を継続してもなかなかつらい腰痛が解消されない時は他にも原因が考えられるかもしれません。


そのような時は、お早めにご相談ください。


このブログが稲刈り後の腰痛でお悩みの方のお役に立てれば幸いです。


最後までブログをお読みいただきありがとうございました。

(監修 柔道整復師 児玉寛武)